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2016/01/15
レジで店員から多くおつりを貰い、黙っていたらどうなる!?
皆さんは人生に1度でもコンビニなどで商品購入時にいつもよりおつりを多く貰ったことはありませんか?実はこれ、犯罪だということをご存知でしょうか?
下記に掲載されているのは実際にあったニュースです。

事件が発生したのは、2015年3月。女性はコンビニエンスストアで携帯電話の利用料金およそ10万2千円の支払いのために、レジに約10万5千円を出した。
店員は約10万5千円の預かりと入力するところを、誤って約15万円と入力。女性におつりとして約4万8千円を手渡した。
警察は、間違いに気付きながら持ち去ったとして女性を逮捕。女性は「気が付かなかった」と容疑を否認している。といったニュースがありました。

今回のようなケースの場合、もし本当に「気が付かなかった」としたら、どうなるのでしょうか?
悪意の場合はたとえ小さな金額でも詐欺または横領罪が成立
原田 和幸 弁護士 〇〇法律事務所
おつりを受け取る前に、あるいは受け取った直後にもらいすぎたことに気がついた場合、おつりが多すぎることを店に告げる信義則上の義務があります。
これに反して黙って受け取った場合あるいは受け取って黙っていた場合、相手の錯誤に乗じて財物を交付させたものであるとして、詐欺罪(刑法246条 10年以下の懲役)が成立します。

受け取った後に、店を出て、もらいすぎたことに気がついた場合、これを返還しないと占有離脱物横領罪(刑法254条 1年以下の懲役または10万円以下の罰金)が成立します。これは遺失物(例えば電車内の忘れ物の携帯電話)を自分のものにしたということです。

全く気がつかなかった場合、犯罪は成立しませんが、1万円札をおつりとして受領した場合などは、そもそも1万円のおつりという事態はあり得ませんので、知らなかったと弁解することは困難でしょう。